はねこんま(跳ね子馬)

駒ケ岳の「はねこんま」
駒ケ岳の「はねこんま」

 糸魚川市の南方にそびえ立つ駒ケ岳(1487メートル)の南側に、4月中旬から下旬にかけて出現する雪形である。

 

 雪解けがかなり進み、わずかな残雪が沢に描く雪模様である。

 

 白い子馬が斜め上方を見ながら、駆け出す姿である。

 

 梶山集落から林道を500メートルほど進んだ場所からしか見えない。見える期間も非常に短く、ハイカーや山菜採りの人から「幻の雪形」と呼ばれるゆえんである。

 

 この写真のような美しい子馬の姿を撮影するには、ずいぶん通いつめなくてはならない。

 

 この山については「北越雑記」に次のようにある。

 

 「糸魚川より三里山奥今井谷に今井という里あり、是より猶二里半計り南に駒ケ嶽あり、山の洞に駒形あり、里俗の申伝へに源の九郎義経此山に馬を乗り捨て玉ひしに即ち主となりて其影うつりしよし、今に形明らか也。

 信州境の比辺に早川、西海、根知三谷に渡りて雨飾山、甲山、阿弥陀山、鳥烏帽子嶽などと云大山多し」

 

 雪形が山の名になったものではないようだが、雪形を元にストーリーがあとからできた可能性もある。