南葉山

種まき男


南葉山の種まき男 南葉山の種まき「種まき男」

 

 上越地方の農耕準備を告げる代表的な雪形の一つが、青田南葉山(949m)に現れる「種まき男」である。

 1890年発行の「温古の栞(上)」には「山腹に男形、鍬形と云あり、春雪の消ゆる頃、天然に鍬形と男の座せる如き形顕れ、遠望奇観なり」とある。

 1929年発行の「明治稲田行事図会」では「南葉山の山男」として「五月頃(旧暦)になりて、山の雪も大方減れば、谷の残雪の形にて、丁度山男が立ち上 がりて種袋を手に下げたる如くなる」と説明している。

 一般的には「種まき男」「種まきじいさん」「南葉山の大男」などと呼ばれ、近年まで農作業の準備に取り掛かる目安として伝承されてきた。

 種をまく人の姿の雪形はほかにもあり、妙高山の粟まき坊主、火打山の種まきじいさんがあるほか、柏崎市側から望む米山にもスジまき男が現れる。

 南葉山は標高が低い山なので、その冬の積雪により、「種まき男」が現れる時期が異なる。早い年には3月下旬、遅い年には4月下旬が見ごろ。